阿毘達磨倶舎論第二十三巻(三)
原文:この暖善根は、下品・中品・上品と次第に増長し、円満成就する時に至れば、更に勝れた善根が生じ、頂法と名付けられる。この転じて勝れたるが故に、更に異名を立てる。動く善根の中では、この法が最も勝れている。人の頂の如きが故に、頂法と名付けられる。或いはこれが進退両際にあるが故に、山頂の如きが故に、頂と説かれる。これもまた暖の如く、四諦を観じ、十六行相を具修することができる。
釈:この暖法善根が下品から中品へ、更に中品から上品へと次第に増長し円満する時、新たな善根が生起し、頂法善根と呼ばれる。頂法善根が次第に殊勝となるにつれ、名称が改められる。増長する善根中、頂法が最も勝れており、人の頭頂の如く頂法と命名される。また頂法は進退の分岐点に位置し、山頂の如きものである故に頂法と称される。頂法も暖法と同様、四聖諦を具足観察し、十六行相を修することができる。
原文:かくの如き暖と頂の二種善根は、初めて安足する時には法念住のみである。いかなる意義によって初安足と名付けるか。謂わく、いずれの善根に随い十六行相をもって、最初に四聖諦の跡を遊践するを以ての故なり。後の増進時に至れば四念住を具足す。先に得たる諸法は後に現前せず、それに対し欽重の心を生ぜざるが故なり。
釈:この暖法と頂法の二善根は、最初に生起する時、法念住の修習時にのみ現れる。初安足というのは、十六行相をもって四聖諦観行に入る最初の段階を指す。暖頂の善根が増進した後、四念住を具足する。以前に修得した法は以後現前せず、それらに対し特別な執着心が生じないためである。
回向文:当ネットプラットフォームにおける全ての弘法と共修の功徳を、法界の衆生に回向し、世界の民衆に回向し、世界の平和と戦争の消滅を祈願します。烽火起こらず、干戈永遠に止み、一切の災害ことごとく消退せんことを。各国人民が団結協力し、慈心をもって相対し、風雨時に順い、国家泰平・人民安寧であることを祈ります。一切衆生が因果を深く信じ、慈心をもって殺生を断ち、善縁を広く結び、善業を修め、仏法を信学し、善根を増長し、苦を知り集を断ち、滅を慕い道を修し、悪趣の門を閉ざし涅槃の路を開かんことを。仏教の永き興隆と正法の永住を祈り、三界の火宅を極楽の蓮邦となさんことを。
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