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日常法話

2022年05月20日    金曜日     第1開示 合計3630開示

四加行の暖位、頂位、忍位、世第一法

『阿毘達磨倶舎論』第二十三巻(一)

原文:頌に曰く、彼は法念住に居す。総じて四の所縁を観ず。非常及び苦・空・非我の行相を修す。論に曰く、彼の観行者は、縁を総雑に居し、法念住の中にて、総じて身等の四境を所縁として観じ、四つの行相、所謂「非常・苦・空・非我」を修す。この観を修めた後、いかなる善根を生ずるか。

釈:正に四念住のうち法念住を修習している行者は、総体的に身・受・心・法の四つの所縁境を観行し、身・受・心・法の苦・空・無常・無我の行相を修習すべきである。論には「四念住を観行する行者は、五蘊の総体を縁としつつ、更に身・受・心念住の三縁を交えて次第に観行し、法念住を修習する際には、五蘊の総体から所縁である身・受・心・法の四境を観行し、四念住の四つの行相―苦・空・無常・無我―を修習する」と説く。この四つの観行を修めた後、いかなる善根が生じるのであろうか。

原文:頌に曰く、此より暖法を生ず。四聖諦を具観し、十六行相を修す。次に頂を生ず、亦然り。是の如き二つの善根は、皆な初めは法、後に四なり。次に忍は唯だ法念のみ。下・中品は頂と同じ。上品は唯だ欲界の苦を観ず。一行一刹那。世第一も亦然り。皆な慧を体とし、五は得を除く。

釈:偈頌に説く「四念住の苦・空・無常・無我を修習した後、暖法が生じ、四聖諦を具足して観行し、十六種の行相を修める。四聖諦を修めた後に頂法が生じるのも同様に、四聖諦を具足して観行し、十六種の行相を修める。暖法と頂法の二つの善根は、いずれも最初は法念住を修め、後に身・受・心・法の四念住を交えて観行して修習される。その次の忍法の善根は、法念住のみを修習すれば生じる。忍法の善根における下品・中品の観行対象は頂法と同じであるが、上品は欲界の苦のみを観行する。五蘊の各行において、一刹那ごとにその苦諦を観行する。

世間第一法という善根も同様に、法念住のみを修習する時に生じる。下品・中品の観行対象は頂法と同じであるが、上品は欲界の苦のみを観る。四つの善根は全て慧を本体とし、智慧を体性とし、五蘊を縁として修められるものであるが、得(得法)のみは除かれる。

十六種の行相とは、四念住の各念住がそれぞれ苦・空・無常・無我性を観察し、四つの行相を具えることにより、四念住で合計十六種の行相を具えることをいう。即ち、身念住の苦・空・無常・無我、受念住の苦・空・無常・無我、心念住の苦・空・無常・無我、法念住の苦・空・無常・無我である。暖法と頂法の善根の修習においては、いずれも十六種の行相を修めなければならない。その観行の智慧は次第に深く細かくなり、禅定も次第に深まる。定と慧の次元は異なり、第四の善根である世間第一法が円満した後、初めて定慧が具足し、見道が可能となる。

回向文:当ネットプラットフォームにおける全ての弘法と共修の功徳を以て、法界の一切衆生に回向し、世界の民衆に回向する。世界平和を祈願し、戦争起こらず、烽火起こらず、干戈永遠に止み、一切の災難ことごとく消退せんことを。各国の人民が団結し互助い、慈心をもって相対し、風雨順い時を得、国家安泰・民衆平安ならんことを祈願する。一切衆生が深く因果を信じ、慈心をもって殺生せず、広く善縁を結び、広く善業を修め、仏を信じ学び、善根増長し、苦を知り集を断ち、滅を慕い道を修め、悪趣の門を閉じ、涅槃の路を開かんことを。仏教の永遠なる興隆、正法の永住を祈願し、三界の火宅を極楽の蓮邦に変ぜんことを。

——生如法師の開示
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暖法の善根の相と修習

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