衆生無辺誓い度す
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日常開示

2022年04月10日    日曜日     第1 回の開示 合計3612回の開示

瑜伽師地論十二因縁釈(十六)

原文:問う。経典の中に説かれる如く、六界を縁として母胎に入る。何故此の中に、唯識界を説くのみなるや。答う。若し識界有らば、決定して母胎の中に、精血の大種、腹穴の欠くること無きが故に。又、識界は勝れたるが故に。又、一切の生に依り、一切の有が生ずる時に説くが故に。

釈:問う:経典の中に説かれる如く、地水火風空識の六界を縁として、母胎に入ることができるというのに、何故ここでは唯識界を縁とする入胎を説くのか。答える:母胎に阿頼耶識界が存在すれば、必ず母胎中の胎児に必要な五大種子から成る精血が、身根の五臓六腑と七竅に遍満し欠けることがない。故に名色は阿頼耶識界を縁とするというのである。また阿頼耶識界は心法であり、一切法中最も勝れたるが故に、阿頼耶識を縁として母胎に入ることを説くのである。更に一切法の出生、及び一切有の出生に依拠して、阿頼耶識が最勝であり、入胎と名色出生の直接因縁であることを説くのである。

母胎に入る識界は必ず阿頼耶識であり、六識ではない。入胎すれば六識は滅するため、胎内初期には六識は存在せず、阿頼耶識が存在する。胎中の受精卵の色は阿頼耶識が生じた地水火風空の大種子によって生じ変化し保持され、胎内の第七識は阿頼耶識が提供する識種子によって維持される。故に入胎するのは識界たる阿頼耶識であり、地水火風空界を説かない。阿頼耶識が存在すれば、地水火風空の大種子も存在するのである。

原文:問う。六処も亦飲食を縁とす。何故此の中に、但だ名色を縁と説くや。答う。此の中に名色を説くは、是れ彼の生因なるが故に。彼は既に生じたる已、亦飲食を以て任持因と為す。

釈:問う:眼入処・耳入処・鼻入処・舌入処・身入処・意入処の六処も、飲食を縁として生じる。飲食有れば名色は増長し、六入中の五入もこれに従って増長するというのに、何故ここでは六入が名色を縁として出生すると説くのか。答える:ここで名色を説くのは、六入出生の因縁であるからである。六入は直接名色の上に出生し、名色無くして六入有り得ず。胎中最初の名は意入処であり、受精卵の色の上に漸次五入が生じる。故に名色は六入出生の因縁である。六入が出生した後は、飲食を以て六入を任運維持する因縁とする。故に飲食を六入出生の因縁とは説かないのである。

原文:問う。触は三和を以て縁とす。何故此の中に、但だ六処を縁と説くや。答う。若し六処有らば、定めて余の二つ欠くること無きが故に。又、六処は勝れたるが故に。六処は二種を摂するが故に。

釈:問う:触は根・塵・識の三和合を縁として現れるというのに、何故ここでは触が六処を縁として出生すると説くのか。答える:六処が存在すれば、必ず残る六塵と六識も現れ、六塵と六識が欠けることはない。故に六処を代表とするのである。また三者の中では六処が六塵と六識に勝れ、三和合において決定作用をなす。六処が六塵と六識を摂受する故、触は六処を縁として現れると説くのである。

回向文:当ネットプラットフォームにおける全ての弘法と共修の功徳を以て、法界の衆生に回向し、世界の民衆に回向す。世界平和を祈願し、戦争起こらず、烽火興らず、干戈永く止むことを。一切の災難尽く消退せんことを。各国人民が団結互助し、慈心を以て相対し、風雨順い時を得て国泰民安ならんことを。一切衆生が因果を深く信じ、慈心を以て殺生せず、善縁を広く結び、善業を広く修め、仏を信じ学び善根を増長し、苦を知り集を断ち、滅を慕い道を修め、悪趣の門を閉じ涅槃の路を開かんことを。仏教の永き興隆と正法の永住を祈願し、三界の火宅を変じて極楽の蓮邦とならんことを。

——生如法師の開示
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