原文:この生支の略義なるものは、生の自性を謂い、生の処位を謂い、所生を謂い、因縁の摂する所を謂い、任持の引く所を謂い、俱生の依持する所を謂う。これを略義と名づく。衰とは何か。依止の劣なるが故に、彼の掉動を令すを謂う。老とは何か。髪色の衰変を謂う。摂とは何か。皮膚の緩皺を謂う。熟とは何か。火力の衰减し、復た勢力なくして欲塵を受用するを謂う。
釈:この十二因縁中の生支の大略なる意味はかくの如し。生の略義は或いは生の自性を指し、或いは生の処する段位を指し、或いは所生たる被生を指し、或いは因縁の摂持する所を指し、或いは任運執持の引出す法を指し、或いは俱生の依持する法を指す。衰とは、依止する法の劣弱なるが故に、自らの衰退羸弱を来たすを謂う。老とは、膚発相貌の衰変を謂う。摂とは、皮膚次第に皺の生ずるを謂う。熟とは、色身中の火力が衰减し、旺盛なる精力をもって五欲六塵を受用し得ざるを謂う。
生の自性は無より有へ、新たに出現するを生と名づく。生の処は幾つかの段位に分かれる。母胎中の諸段位より出生し、漸次成長するを指す。甲が乙を生ずれば、乙は所生なり。生という事柄は因縁和合によって現れる法なり。因無く縁無くんば生あること無し。生あるには必ず因縁の摂する所あり、故に生は空法なり。生はまた任運執持の引出す法なり。名色の任運生長すれば六入を生じ、六入の成長すれば触を生じ、根塵相触すれば識を生ずるが如し。
原文:気力の損壊とは何か。性多く疾病あるが故に、勢力有って事業を作す能わざるを謂う。黒黡身に間わるとは何か。黯黒現出して其の容色を損うを謂う。身脊の伛曲、喘息の奔急とは何か。行歩威儀、身形の顕す所、此れによりて極重の喘嗽を発起するを謂う。形貌の偻前とは何か。坐威儀の位にて、身首低曲するを謂う。杖策に憑拠するとは何か。住威儀の位にて、杖力に依って住するを謂う。
釈:気力の損壊とは、性体に多くの疾病を有し、気力なくして何事も為し得ざるを謂う。黒黡身に間わるとは、身体に暗黒現れ容色損なわるるを指す。身脊の曲がり喘ぎ急ぐは、身形の威儀を失い、重き喘息咳嗽を生ずる相なり。形貌の前かがみは、坐中の威儀位にありながら身首低きを指す。杖に憑りて立つは、立ち居の威儀を保ちつつ杖の力に依るを言う。
原文:昏昧とは何か。臥威儀の位にて、数重の睡眠を謂う。羸劣とは何か。即ち此の位にて、速やかに覚る力無きを謂う。減損とは何か。念慧の衰退を謂う。衰退とは何か。念慧劣なるが故に、善法を現行する能わざるを謂う。諸根の耄熟とは何か。身体の尪羸を謂う。功用の破壊とは何か。彼の境に対し復た明利ならざるを謂う。諸行の朽ち故とは何か。彼の将に終わらんとする時を謂う。
釈:昏昧とは臥位にて心昏く睡眠重きを指す。羸劣とは覚醒迅速ならざる力無き状態なり。減損とは念力慧力共に衰退するを言う。衰退とは念慧劣弱の故に善法現前せざるを謂う。諸根耄熟とは身体衰弱の相なり。功用破壊とは諸境に対し反応鈍重なるを指す。諸行朽ち故とは命終近きを告げる相なり。
回向文:当ネットプラットフォームにおける全ての弘法と共修の功徳を以て、法界の一切衆生に回向し、世界の民衆に回向し、世界平和を祈願し、戦争起こらず、烽火興らず、干戈永く息み、一切の災難尽く消退せんことを。各国人民の団結相助け、慈心相向かわんことを祈り、風雨時に順い国泰民安ならんことを。一切衆生が因果を深く信じ、慈心をもって殺生を断ち、善縁広く結び、善業広く修め、仏法を信じ学び善根を増長し、苦を知り集を断ち、滅を慕い道を修め、悪趣の門を閉じ涅槃の路を開かんことを。仏教の永き興隆と正法の永住を願い、三界の火宅を変じて極楽の蓮邦とならしめんことを。
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