原文:問。いかなる義によって七有を建立するか。所謂那落迦・傍生・餓鬼・人・天有・業有・中有なり。答。三種の所作によってなり。一には能引有、謂わく一。二には趣有有、謂わく一。三には受用果有、謂わく五。生とは何か。謂わく胎卵二生において、初めて托生する時なり。等生とは何か。謂わく即ち彼の身分円満にして、未だ出でざる時なり。趣とは何か。謂わく彼より出づるなり。起とは何か。謂わく出でて已に増長するなり。出現とは何か。謂わく湿化二生において、身分頓に起るなり。
釈:問:いかなる理によって七種の有(地獄・畜生・餓鬼・人・天・業有・中有)を建立したのか。答:三種の所作業によって七有に分けられる。第一は三界の有を能引するもの、即ち業有。第二は三界の有に趣向する中有。第三は果報を受用する三界の有、即ち五道衆生の有である。
生とは何か。生とは胎生と卵生の二種の衆生が生まれ出る最初の時を指す。等生とは何か。等生とは胎卵の中で色身の支分が成熟円満し、未だ出生していない状態、俗に言う「出生を待つ」段階である。趣とは何か。趣とは胎卵から生まれ出ることを指す。起とは何か。起とは衆生が出生後の増長段階を指す。出現とは何か。出現とは湿生と化生の二種の衆生において、身体の支分が頓に現れることを指す。
原文:蘊得とは何か。謂わく即ち彼の諸生位において、五取蘊転ずるなり。界得とは何か。謂わく即ち彼の諸蘊、因縁によって摂せられる性なり。処得とは何か。謂わく即ち彼の諸蘊、余の縁によって摂せられる性なり。諸蘊生起とは何か。謂わく即ち彼の諸蘊、日々の飲食によって資養され、命根を長ずるなり。出現とは何か。謂わく即ち彼の諸蘊、余の寿力によって、相続して住するを得るなり。
釈:蘊得とは何か。蘊得とは一切有の生位において、色・受・想・行・識の五取蘊が運転し現れ出る、即ち五蘊が生じ顕現する意味である。界得とは何か。界得とは五取蘊の種々の因縁によって摂受される属性を指す。処得とは何か。処得とは五取蘊のその他の因縁によって摂受される属性、例えば内六入処・外六入処が合わさった根塵相触の処を指す。五取蘊の生起とは何か。五取蘊が毎日飲食によって命を維持し、命根を資益・長養して滅せしめないことである。出現とは何か。生命体が出生後、五取蘊の残された寿命力の因縁によって生命体が相続して住世することを指す。
界得は「得界」とも言え、法界(根界・塵界・識界を含む)を得ることを指す。例えば五蘊において、各根には各根の属性、各塵には各塵の属性、各識には各識の属性があり、属性が異なるが故に法と法の間に境界が生じ、法が出生することを界得という。
回向文:我々のネットワークプラットフォームにおける全ての弘法と共修の功徳を以て、法界の衆生に回向し、世界の民衆に回向する。願わくは世界が平和となり、戦争起こらず。烽火興らず、干戈永く息む。一切の災難、尽く消退せんことを。願わくは各国の人民が団結互助し、慈心をもって相い向かい合わんことを。風雨時に順い、国泰くして民安んぜんことを。願わくは一切衆生が因果を深く信じ、慈心をもって殺さず。広く善縁を結び、広く善業を修めんことを。仏を信じ学び、善根増長せんことを。苦を知り集を断ち、滅を慕い道を修めんことを。悪趣の門を閉じ、涅槃の路を開かんことを。願わくは仏教が永く興隆し、正法が永く住せんことを。三界の火宅を変じて、極楽の蓮邦となさんことを。
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