分段生死はいかにして断除されるか

一切の生死は無明によるものであり、無明があれば必ずそれに応じた無明業と業種が生じ、無明業種は必然的に衆生に分段生死と変易生死をもたらします。もし分段生死を断つならば、無明を破り、心が清浄になった後に煩悩および煩悩習気を断除し、無明業種を消滅させなければなりません。そうすれば分段生死は消滅し、変易生死の段階に入ります。 

業種が転換する前提は何でしょうか。ただ心が転換し、身口意の行いが転換してこそ、業種は転換します。心が転換する前提は何でしょうか。無明を破り、煩悩を断除すれば、心は転換します。無明を破る前提は何でしょうか。三十七道品の修行、菩薩の六波羅蜜の修行、戒定慧の修行がある程度に達してこそ、無明を破り、煩悩を断除できます。その後で初めて心が転換し、身口意の行いが清浄になり、業種が転換します。人我執を断除し尽くし、法我執を断除してこそ、阿頼耶識が異熟識に転じ、分段生死が変易生死に転換します。 

どの程度修行するかによって、その程度の無明が破られ、その程度の煩悩が断除され、心はその程度に清浄になり、身口意の行いはその程度に転換し、業種はその程度に転換し、果報もそれに応じて転換します。故に修行には全て過程があり、各過程は必要不可欠です。時間は長短あれど、過程は必ず経なければなりません。過程なくして果を語ることはできません。故に全ての煩悩を抱えた凡夫がそのまま菩提を証することは妄想せず、また菩提を証した後に煩悩を断たずに菩提道を歩み続けられるとも妄想してはなりません。煩悩は道ではないのです。