衆生无边誓願度
煩悩无尽誓願断
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仏道無上誓願成

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日常法話

2018年02月16日    金曜日     第2開示 合計55開示

乳児の記憶力が弱いのはなぜか(一)

なぜ赤ちゃんは記憶力が比較的弱いのか。ここで言う記憶力とは、一種の識別と憶念の能力であり、印象とも呼ばれます。印象(像)とは何でしょうか。印とは烙印のことで、手でどこかを押す、あるいは何かでどこかを押すことで、印を残し、刻み込み、心に刻印することを指します。象(像)とは影像、つまり残された痕跡のことです。どこかを押して刻印した後に初めて像が生まれ、これを印象と呼びます。印象は念の心所に関わり、記憶と関係があります。

印象には深いものと浅いものがあり、印象が深いというのは、繰り返し何度も押して刻印したか、あるいは深く押して刻印した結果残された像であり、刻印された像が非常に深いことを意味します。深く、そして繰り返し何度も心に刻印すること、それが定です。一つの対象に定まり変動しないことで初めて印象が深くなります。記憶の中に印と象(像)があるからこそ、後に縁に触れた時にその印象を思い出すことができるのです。記憶の前提条件として、一つは勝解が必要であり、経験した人・事・物の理の本当の意味が何であるかを理解し把握できて初めて、心に刻印され影像が形成され、後になって記憶が可能になります。もう一つの前提は定が必要だということです。繰り返し心に刻印し、深く心に刻印して初めて、深い印象を持つことができるのです。

赤ちゃんには記憶能力がほとんどなく、記憶力が弱いのは、赤ちゃんの勝解力が弱く、この世のほとんどのことを経験しておらず、体験もしていないため、比較対照する能力もなく、加えて思惟力が非常に微弱であるためです。従って、勝解もほとんどなく、印象を残すのが難しく、記憶もできません。赤ちゃんの心力は弱く、定もないため、集中することができず、あらゆる人・事・物を心に刻印することができないのです。そのため記憶力が弱いのです。赤ちゃんはほとんどのことを親が繰り返し教え、何度も反復して初めて、わずかな記憶を持つことができます。しかし、これは赤ちゃん自身が慣れ親しみ興味を持つ飲食やおもちゃなどは含まれず、赤ちゃんの生まれつきの、生来の習性も含まれません。なぜなら、これらの先天的な習慣や興味は前世から持ち越されたものであり、生まれつきそうであるためです。世俗の人々はこれを本能と呼び、それはあらゆる生命体が生存に適応するための一種の生まれつきの本能的な性質なのです。

——生如法師の開示
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赤ちゃんの記憶力が弱い理由(その2)

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