識心の分別性と了知性

第七識には分別性があり、第七識は本来分別するものである。第七識の心が存在する限り、必ず分別性がある。もし分別しなければ、三界に出現することはできない。前七識が識と呼ばれるのは、識の心の自性が本来分別あるいは識別の作用を起こすものであり、かつ永遠に分別性があるからである。そうでなければ識とは呼ばれず、木と何ら変わらない。第八識もまた識と呼ばれる以上、当然第八識自体にも分別性がある。八つの識にはすべて分別性があるからこそ、八識と呼ばれるのである。成仏した後も、八つの識は依然として分別性と了別性を持ち、一切の法に対して了別と分別を行わなければならない。

分別とは何か。あなたが一切の法を知る時、それが分別である。分別がなければ了知性はなく、分別がなければ何一つ知ることはない。そうなれば木と何ら変わらない。したがって成仏しても、依然として一切の法を知らなければならず、しかも私たち衆生よりもさらに円満に、さらに円明に知り、知らない法は一つもない。仏のこの了知性・分別性は徹底的に円満であり、究竟の円満に達している。一切の法を分別する時には、はっきりと、徹頭徹尾明らかであり、仏の了知性は一切の時空に遍く、いささかの妨げや隔たりもなく、微塵の無明や無知もない。衆生の第七識の了知性・分別性にはすべて限界があり、すべて制約がある。無明が深重であるため、了知することは円満ではなく円明ではなく、そのうちの極めてわずかな部分しか了知できない。第七識の中に無明の煩悩や染汚が含まれている限り、その分別性には極めて大きな遮障と妨げがある。

成仏の時、八つの識には依然として分別性がある。ただ分別する際に極めて大きな智慧を持ち、色・声・香・味・触などの一切の法を完全に徹底的に了徹し、三界世間の一切の法を透徹して分別することができる。もし八つの識がすべて分別しないとすれば、分別しないとはどのような状態なのか。分別しないことは石のようなものである。衆生は石ではなく、成仏した後はなおさら石ではない。石ではない以上、識の心は当然さまざまな法を分別し了知しなければならない。分別性と了知性があるからこそ、私たちはこの世界で生存でき、生き生きとした衆生でいられるのである。