第六識と第七識の区別は次の通りである。第七識は決定を下し主宰する識心であり、意識が生じるよりどころとなる所依の根でもある。常に身・口・意の行いを主宰し指揮しているのが第七識である。多くの習気や慣性を持っているのが意根であり、慣性に従って決定を下すのが意根である。時に突発的な事態が発生し、心に何の思想的準備もなく、意識心も分析や思惟を行う余裕がない場合、意根は慣性に従って処理方法を決定する。事態に対処する際、思考する暇もなく決定を下すのが意根であり、繰り返し思考を巡らせるのが我々の意識である。思考を経ずに急いで決定した行為は、往々にして後悔を招く。事態が過ぎた後、意識が改めて思惟を働かせると、その事柄は本来あるべきではなかったと考えるからである。故に意根は習気と慣性に従って主宰する識心であり、意識心は理性的な思惟を行う識心である。この二つの識心は本質的に異なり、一つの識心として混同してはならない。
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