受心所の受とは、六識自体が境界を受容し領受することを指す。受容領受とは境界を受け入れることであり、境界を受け入れた後に了別が生じ、了別の後に六識は情緒的な苦受・楽受・不苦不楽受を生じる。情緒的な受が現れる前の受は、境界を受容し受け入れる受である。例えば眼識が色塵に触れた後、眼識が色塵を受容し受け入れ、受け入れた後に了別と了知的な想が生じ、その後執取的な想が生起する。了知と執取があるからこそ苦楽受が生じるのである。了知がなければ情緒的な苦楽受はなく、執取がなければ苦楽受の現れもない。故に受心所の範囲は五蘊中の受蘊よりも広く、受蘊は情緒的な受を主とし、苦・楽・不苦不楽の三種の情緒を伴う受を含む。第七識と第八識の受心所については六識の受とやや異なり、七八識には捨受のみ存在し苦楽受がなく情緒的な色彩を帯びず、八識の五遍行心所法にはそれぞれ多くの微細な差異がある。
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