意識心は凡夫の位においては五十一個の心所法があり、貪・瞋・癡の煩悩を具足している。声聞の三果の位に至ると、意識の心所法は減少し、貪心所と瞋心所がなくなる。入地後の転依位に入ると、意識の煩悩心所法はさらに減少し、次第に善性へと転じていく。仏地に至れば、意識の心所法は五遍行・五別境・十一個の善心所法を有する。故に修行とは、第六識・第七識の心行を次第に変容させる過程である。第六識・第七識の心行と体性は不変不滅のものではない。ですから心を論ずる際には、これが凡夫の心行なのか、禅定を得た者の心行なのか、賢人の心行なのか、聖人の心行なのか、それとも仏の心行なのかを明らかにしなければならない。
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