観行による意識の我見断除（二）

私たちは観行を思惟します。今まさに思慮している心、物事を了別している心は、どのような因縁によって生じたのでしょうか。これらの縁がなければ、私のこの分別心はなくなってしまうのではないでしょうか。これらの縁がなければ、今の私の思考力は失われ、今の了別性もなくなります。このように考えに考えてゆくと、この心がいかに虚妄で、いかに不実であるかがわかってきます。ゆっくり思惟を重ねた後は、もはや思惟し了別できる意識心を我であると誤認しなくなります。最も良いのは、定力がある状態で思惟することです。そうした思惟は深く微細であり、意識と意根がこの理に容易に納得し、もはや意識を我として執取せず、それによって我見を断つことができるのです。