七識の心所法

如来蔵の識種子が生じて七つの識を形成し、七識が現行し始めて活動する時、心所法の形式で運行する。まず五遍行心所法が生じ、その後五別境心所法が不定時に随伴し、また善悪の心所法も随伴する。七識は時に善となり時に悪となり、時に善悪共に現れないが、五遍行心所法は必ず常時七識と共に現前して運行する。しかしこれらの心所法には種子がなく、七大種子の中に五遍行の種子は存在せず、業種の中にも心所法の種子は存在しない。だが七識が現行すると、五遍行・五別境と善悪の心所が即座に随伴して運行し、それにより身口意の業行が生じる。

識種子は水滴の如く、水滴が連続して水流を形成し、その水流は七識の識流に相当する。しかし七識自体は心所法に依存して初めて機能し、心所法の補助的運行があってこそ七識の作用が発揮される。七識が生じた後、対応する法に対して作意・触・受・想・思を行う、これが七識の運行過程であり、その中に他の心所法が混在する。識種子自体は清浄であり、形成された識流も清浄であるが、心所法が運行に参与する時、七識は必ずしも清浄ではなくなる。心所法に不浄なもの、染汚あるものが存在するため、七識が心行を伴って形成する業種も必ずしも清浄ではない。如来蔵に蓄えられる業種の性質に応じて意根はその様相を現し、故に意根は必ず業種と相応する。

如来蔵は業種に基づいて七識を現行させ、業種が染汚であれば七識の心行も染汚となり、業種が清浄であれば七識の心行も清浄となる。染汚の種子が成熟すれば、意根は染汚の業を現行し、その染汚業は再び種子として如来蔵に蓄積され、識種子は如来蔵に戻っても依然清浄である。七識が造作した悪業の種子が縁熟して果報を現す時、現報の中で再び不善の心行が生起し、その不善の心行に依って再び不善業を造作し、これを因として不善の果を生じ、業果はこのように循環して衆生の輪廻は絶えることがない。七識が造作した善悪の業種は縁に遇って現行し終われば業種は消滅するが、一切の法と心行は档案の如く永遠に消滅しない。衆生が無始劫に経験するほど、この如来蔵はより多くを蓄積し、劫を経た生命の長河における一切の事象を一点一滴も漏らさず如来蔵は記録する。如来蔵は形相なく、もし形相があればこれほど多くの档案を収蔵できず、従って档案もまた形相を有しないのである。