五識の了別性について、五識は第六識に依って初めてその了別性を有し、続いて簡単な分別・弁別性を持つ。例えば、眼識は最初にある物体をはっきり見分けられない場合、再び作意し、色境に触れ、色境を領納し、色境を弁別し、最終的に色境の相を取るが、ただ名言的表現がないだけである。さらに思心所が生起し、抉択作用を起こし、見続けることを受け入れるか、避けて見ないかを決定する。眼識はまた簡単な苦楽の感受も感じ取れるが、情緒的色彩はなく、繊細でもない。耳識、鼻識、舌識、身識も全て同様である。眼識には弁別能力があるため、物体を見る際に何度も繰り返し見たり、細心の注意を払って見たりして、最終的な抉択と判断を行うのである。もちろんこれには同時に意識心の共同的な配合作用があり、五識単独では五境の境界を了別することはできない。なぜなら五識は五境中の粗雑な部分しか了別できず、より多くの内容については、五俱意識が配合して了別することによって初めて完全な五境を了別し得るからである。
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