天親菩薩は『百法明門論』において次のように述べられている:一切の法は略して五種あり。第一に心法:眼識・耳識・鼻識・舌識・身識・意識・末那識・第八識、総じて八識。第二に心所有法、略して五十一种:五遍行・五別境・善法十一・六根本煩悩・二十随煩悩・善悪不定の四種。第三に色法、略して十一种:五有色根・五塵及び法処所摂色。第四に心不相応行法、略して二十四种。第五に無為法、略して六種:虚空無為・択滅無為・非択滅無為・不動無為・想受滅無為・真如無為。
色法十一は五根・五塵・法処所摂色を含む。五根とは眼根・耳根・鼻根・舌根・身根。五塵とは色塵・声塵・香塵・味塵・触塵。前五根は有色根であり、地水火風の四大種子によって構成され、浮塵根とも称され、身体表面に存在し衆生の眼根に対し、衆生が認識可能な色法に属する。後頭部の五勝義根もまた地水火風の四大種子によって構成され、色法に属し、五根の性質は生滅・変異・無常・非我である。五塵は地水火風の四大種子によって構成され、衆生の眼根に対し、衆生の眼根が認識可能であるため色法に属し、同様に生滅・変異・無常・非我である。
法処所摂色は五塵の上に五塵の法塵が同時に顕現するもので、これも色法に属し、法処所摂色と称される。これも地水火風の四大種子によって構成される。法塵は五塵に依って顕現し、意根に対し、意根が攀縁接触し、意識によって具体的に了別される。これも生滅・変異・無常・非我である。意根が五塵上の法塵に触れた後、如来蔵が意識を生起させ、法塵を識知することが可能となる。つまりこの時意識は前五識と共同して五塵を識別し、五識は五塵の粗色を識別し、意識は同時に五塵上の微細な法塵を識別する。五識の了別は粗く、意識の了別は細かい。以上は極めて簡略な概括的説明であり、詳細に説けば内根・外根・内塵・外塵・内法塵・外法塵などに分けられ、内容は非常に複雑である。
1
+1