四念処観の呼吸法を修めることは頑空に陥るのか？

四念処の観行の結果は我見を断ち、解脱の果を得て、煩悩を断除して解脱することです。誰もが煩悩と我見を持っている以上、全て凡夫ですから、我見を断つ必要があり、我見を断つには四念処観の呼吸観察から始めます。凡夫は全て我があり、あらゆる心を持ち、あらゆる煩悩があるため、無我無煩悩の修行が必要なのです。修行は基礎から少しずつ積み重ね、呼吸観察から始め、浅いところから深いところへと進み、ようやく無我を証得し、心が空になって煩悩がなくなるのです。 

凡夫にとって、どんな空であれ、ほんの少しでも空にできれば大変結構なことです。できる限り空にしようと努め、捨て去りましょう。頑なな空（頑空）や断滅空を恐れる必要はありません。凡夫はそもそも頑空や断滅空を成し得ませんから、できる限り空にし、空であればあるほど良いのです。これまでの全ての知識や理解を忘れ去り、心を空っぽにし、赤ん坊のようになって、少しずつ一から学び直すのです。これまで学んできた知識は葛藤のように、空中に立ちはだかり心を隔て、上にも下にも行けず、もどかしく塞がっています。今こそそれらを全て空にして心を清々と浄め、改めて清浄な法で満たすのです。これまで消化できなかった知識は、時として病となりますが、空にできれば病は癒え、空にできなければ病は続くか、自ら手を下して病を治すしかありません。他人は助言を提供するだけであり、病を治すのは自分自身なのです。 

理論に触れれば触れるほど、消化は難しくなり、心の中に詰まってしまい、薬が病に変わってしまいます。消化吸収の能力が十分でないならば、より深い理論を整理し、消化吸収しやすい法義を実践的に多く行いましょう。消化できない理論はどれほど優れていても、一時的に脇に置き、基礎的な法義から修行を始めるべきです。高望みは禁物です。