外法塵は実法なのか

問：如来蔵は実法、すなわち地水火風、十色（五根五塵）のみを縁とするのでしょうか。それでは、私たちが見る山の高低や木の大小は実法か仮法か、第八識はこれを縁とすることができるのでしょうか。もし縁としないなら、器世間の差異、物体の大小形状や形色の差別は誰が造り出したのでしょうか。

答：実法とは外五塵、すなわち色・声・香・味・触の五塵を指しますが、外法塵も含まれます。例えば色塵上の形色・表色・無表色などです。外界の山の高低や樹木の大小も実法であり、如来蔵もこれを縁とします。なぜなら如来蔵が色法を生じる際、単に色塵の顕色（色彩）を生じるだけでなく、必ず同時に色塵の形色・表色・無表色などの法塵をも生じなければならないからです。そうでなければ色塵は完全な色塵ではなく、色彩という一つの相貌しか持たないものになってしまいます。声塵・香塵・味塵・触塵も同様で、全て外法塵が存在します。

もし外法塵がなければ、色塵は顕色（色彩）のみとなり、形色・表色・無表色が存在しなくなります。そうなれば形状・高低・大小・長短円方・厚薄がなく、品種種類の差別相も、美醜・巍峨・挺拔・気勢・年輪・軟硬などの表色・無表色も失われ、宇宙器世間の色塵は色彩の差別のみとなり、それ以外は模糊として混沌とした状態になります。

このような状況では業種も実現できず、如来蔵が万物を変現することも極めて単純化され、大千世界は色彩豊かであっても形質がなく、実用価値を失います。衆生が見るものは色彩の一片のみで、長短円方・大小美醜の区別がなく、一切の色塵物質は使用不可能となり、衆生はこのような器世間で生存できません。

実際には、如来蔵が色法を生じる際、四大種子を用いて色彩・形状・姿態・品質・軟硬度などの内涵を備えた様々な色法物質を完全に変現します。そして衆生が色を見る時、如来蔵は外六根に依り、法塵を含む完全な色塵を勝義根に伝達します。意根が主導して色を見る際、眼識と意識が共同して完全な色塵を了別します。これが「如来蔵が鏡のように像を現じ、現じた像が外色塵と相似相同である」と説かれる所以です。外法塵なしに内法塵が現じることは不可能です。

衆生の五陰色身も色法に属し、実法です。一切の形象を含み、母胎内に存在する時から如来蔵が自ら縁とするものです。もし外法塵がなければ、人間は色彩のみを持ち、四肢・頭部・五根・性別・年齢・相貌・気質・高矮・肥痩・学識・教養などの形色・表色・無表色を失います。如来蔵が色身を生じる際、顕色（色彩）のみを生じるなら、全ての人間は人と呼べる存在ではなく、何物かも判別できなくなります。全ての色塵も何であるか分からず、世界は混沌として色彩のみが存在する状態になりますが、このような事態は存在し得ません。

したがって、形色・表色・無表色などの法塵も実法であり、如来蔵はこれを生じるとともに縁とし、これに依って内法塵を変現します。衆生が了別するのは完全な色塵であり、全ての情報が具足して存在します。無から有を生じて後から変現した内法塵ではありません。他の諸塵も同様に外法塵を持ち、外法塵に依って内法塵が存在します。内五塵から内法塵が生じるのではありません。

如来蔵は実法を勝義根に伝達して仮法とし、意根がこれを縁とします。もし意根が関心を持ち詳細に了別しようとしても、自ら了別できません。この時如来蔵は根塵相触の処で六識を生じて了別させます。眼根が内色塵と接触する時、如来蔵はその中で眼識を生じます。耳根が声塵と接触すれば耳識を、鼻根が香塵と接触すれば鼻識を、舌根が味塵と接触すれば舌識を、身根が触塵と接触すれば身識を、意根が法塵と接触すれば意識を生じます。こうして六識が現行して内六塵を了別するのです。