「梅を見て渇を癒す」と「酸水を吐く梅を聞く」の原理とは何か

梅干しを見て渇きを癒す原理と、酸っぱい物を聞いて唾液が出る仕組みは何か。水を飲まず食物も摂らずに、渇きの問題を解決したのは誰か。渇きを感じる時には唾液がなく、唾液が出る時には既に渇きは消えている。唾液はどのように現れるのか。脳が命令を発し、身体各部あるいは特定の部位に伝達されると、ある反応が生じる。脳の命令は誰が発するのか。意根が発し、如来蔵が命令を実行して必要なものを供給し、意根を満足させ、その目的を達成させる。故に意根に欲がなければ、境界が現れるか。いかなる境界も現れず、いかなる変化も生じない。

意根が酸っぱい物を聞くだけで、なぜ唾液が出るのか。ここで言う「聞く」とは当然、耳識と意識が聞いた後、情報を意根に伝達し、意根が酸っぱい物のことを知ることを指す。酸っぱい物の性質を知るのは、意識が知るのか意根が知るのか、あるいは両方か。過去の経験に基づき、酸っぱい物の性質と作用を知ると、あたかも実際に口の中にあるかのように連想が広がる。意根が騙され欺かれると、色身に相応の反応が現れ、口中に酸っぱい唾液が生じ、渇きの問題が一時的に解決される。

ここから、意識が非量で了別し、意根が騙されたと知らなければ異常現象が現れることが分かる。無始劫以来、意識は意根を騙し続け、その後意根は意識を苦しめ続けるのである。

独頭意識が自分が崖縁に立っていると想像すると、足の裏がしびれ全身が震え、落下への恐怖から身根を強く制御し緊張させる。これは誰が引き起こしたのか。意根が引き起こし、如来蔵が発動して協力した結果である。意識の不如理作意が、意根の不如理作意を導き、その後誤った応急処置と命令を発し、異常な身根反応が現れる。

無始劫以来の意識による意根への邪教導が、意根を常に邪道に歩ませ、正道に帰することを許さない。意識の邪教導は、意根の愚痴と無明が監督した結果である。もし意根に無明がなければ、意識は必ず明となり、邪知邪見と邪教導は存在せず、意根も永遠に邪見を持つことはない。

汝が私を騙せば、私も汝を騙す。これが因果である。汝が邪なら私も邪となり、再び汝を邪にする。これが因果である。故に三界六道輪廻の因、生死の因は、意根の無明にある。そして意根の無明は、無始劫以前から如来蔵に存在し、如来蔵に生死を生じさせることができ、これこそが輪廻の苦なのである。