意根をどのように見つけるか

「私…私…私」と心の中で思うとき、ここに意根（末那識）と呼ばれる「私」を探すべきです。この「私」には意識（第六識）と意根の両方が含まれます。両者の本質を分離すれば、意根の「私」を見出すことができます。その中で特に深層に潜み、頑固で決断力があり、他人の意見を聞き入れないのが意根の「私」です。これは意根の作用する所において意根を求め、意根を証得する方法です。「私…私…私」と感じた時にここで反省できますが、非常に困難を伴います。

ここでどの部分が意根の「私」かを反省する際、「私」という言葉には第六識が認識する「私」と意根が認識する「私」が混在しています。両者を分離して初めて意根の「私」を証得できますが、これには多大な困難が伴います。むしろ主体性を観察する方が迅速で容易です。「何をしよう」「どうしよう」と絶えず決定を下す主体、その瞬間に主導権を握る心こそが意根です。

意根を証得する最適な機会は、突発的な出来事が発生した時です。自身の反応を観察してください。予期せぬ事態に即座に反応し、思考を介さずに決定を下す心、それが意根です。事態が急迫であればあるほど、この意根の働きが明らかになります。意識（第六識）は反応する時間がなく、無始劫以来の習気と慣性に基づいて意根が即断し、六識に身口意の行為を起こさせるからです。

例えば突然物体が飛来し衝突しそうになった時、瞬時に身をかわす決定を下す心が意根です。無始劫より身体に執着し、色身の状態を縁としてきた意根が、危害を回避するよう身体を操作します。あるいはやかんの湯が急に跳ねて手にかかった時、反射的に手を振るう決定も意根の働きです。意識は熱さを感じる余裕もなく、意根が即座に対処を決断し身体を動かします。手を振るった後に生じる後悔や苦痛の感情こそ、意識の反応なのです。

意根と意識の二つの本質を分離すれば、意根を容易に把握できます。八識を個別に分離観察し、各識の機能と本質を明らかにするのです。七識を区別した後、残るものが第八識（阿頼耶識）です。このように八識を観行すれば、速やかに証得に至ります。五蘊の虚妄性を観察する際も同様で、各蘊を分けてその生滅変異を観れば、無常・虚妄・無我の本質が明らかとなるのです。