三帰依は五戒を受けることとは異なります。戒を受けるには戒体が生じますが、帰依だけでは五戒の戒体は得られません。戒体には戒を犯すことを遮止する作用があり、戒神の守護を受けることで、非行を防ぎ悪を止め、悪業の果報を少なく受けず、修行が速やかに進みます。もし受戒後直ちに破戒するならば、戒体を得ていない証左です。戒体を得られない原因は、自身の罪業が懺悔によって清浄化されず、受戒時に遮障があったためで、改めて懺悔清浄した上で再受戒を重ね、戒体を得るまで継続する必要があります。
授戒の師自身が戒を犯し戒体を失っている場合、その師から受戒しても戒体は得られません。確実性を期すためには複数回の受戒が推奨されます。授戒師が修行に優れ徳行高き者であれば、諸仏菩薩や護法神の加護が厚く、受戒時の加持力が強大で感応も顕著となり、受戒後の変化が大きく、仏道修行の進展が速やかになります。
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