問:最初に呼吸観察を始めた時、呼吸が浅く、妄念が多いのですが、どうすればよいでしょうか?
答:呼吸が調わず妄念が多い場合は、深呼吸をして気を丹田まで引き下ろすことです。気が長くなれば身体が整い、妄念も減ります。深呼吸をする際は、気をゆっくりと吸い込み、腹部を徐々に膨らませます。気を満たしたら少し止め、その後ゆっくり吐き出します。吐き切ったら腹部はへこみ、再び少し止めてから次の呼吸に移ります。このように一呼吸一呼吸の間隔を長くしていきます。数回行えば十分で、その後は自然な呼吸に戻します。 深呼吸では気が内臓を巡り、滞りを解消し、任脈を通す効果があります。これにより深呼吸をやめても次第に気が長くなり丹田に至り、妄念が減っていきます。深呼吸は妄念対処に有効な方法です。
深呼吸念仏法も気を調え煩悩と妄念を対処するのに適しています。深呼吸時に念仏し、気を満たして止めた後、吐く息と共に鼻音や喉の奥から響く音で「阿弥陀」の二字をゆっくり唱えます。音の振動が大きいほど内臓が開かれ、次の呼吸では吐く息と共に「陀仏」を唱えます。数回繰り返せば呼吸が整います。呼吸と念仏に意識を集中させることで定力が増し、坐禅開始時にも活用できます。空気が清浄な時は深呼吸を行い丹田の気を起こせば、呼吸が長くなり健康を保ち妄念が減り、腹式呼吸が自然に成就します。
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