大千世界は即ち一真法界である

物質色法は自ら生じ自ら滅することはない。もし物質色法が自ら生じ自ら滅するならば、自ら生じ自ら滅するということは、物質色法に実在する自体性が存在することを示す。物質に自体性があるならば、如来蔵がその存在を顕現し維持する必要はなく、物質は如来蔵によって生じられ保持されるものではない。そうなれば如来蔵には遍在しない部分が生じることになる。

では物質色法は結局どこから来るのか。必ず由来があるはずだ。たとえ空から降ってきたとしても由来と言えるが、そのような由来は存在し得ない。なぜなら空から物が降り物質を生じるなら、それはもはや空ではないからだ。あらゆる可能性を探求すれば、如来蔵のみが物質色法を生じ得ると分かる。如来蔵の四大種子は物質を生成し、他の一切の法は如来蔵によって生じられたもので、それ自体が再び物質色法を生じることはない。

これらの色法が如来蔵によって生じられた後も、如来蔵は生じられた色法を保持し続ける。故に色法には生滅変異の現象が存在する。しかも刹那的に生滅変異する中で、如来蔵は依然として刹那毎に四大種子を送り続け、色法を絶えず変化させる。そのため物質は徐々に変化を生じ、最終的には消滅する。如来蔵は一切の処に遍く存在し、一切の法に遍満している。如来蔵の保持を受けない法は一つも存在せず、如来蔵に遍在しない処はない。故に大千世界全体が即ち一真法界なのである。

ほとんどの場合、私たちの福徳が足りず因縁が熟さない時、仏典に含まれる深遠な一言を軽々しく見過ごし、それをごく平凡な言葉として無視してしまう。全ての修行者は一無量劫、二無量劫、あるいは三無量劫を修めて初めて、その言葉の全容を真に悟るのである。「一真法界」という四文字を徹底的に理解するには、三無量劫の修行を要する。その差は各人の福徳・禅定・智慧・心性など様々な条件による。福を修め禅定を深め、煩悩障礙をできる限り調伏し、心性を柔和に調え、内なる自我を徐々に除去し続け、再び調伏を重ねることで、人法二無我を証得できる。これは極めて困難なことではあるが、努力して実践すべきである。