問:修行に精進した後、心に反転現象が現れるのはどういうことですか?
答:修行に極めて精進すると、業力が現前し、心が世俗法ではなく修行に集中するため、従来の習気と相反する状態となります。意根が強く抑制され、修行の進度に追いつけず、心に苦しみを感じ修行意欲を失う反転現象が生じます。これは意根が抵抗している状態であり、過度の精進を嫌い、従来との差異が大き過ぎることを望まないためです。意識が意根を抑えきれないため、行動面では懈怠や散漫、あるいは心の煩悶が現れます。このような状況では自己の心理を観察し、背後にある真因を探り、適切に対処すべきです。心に道理を説き、世の苦しみと修行の重要性を思惟するか、あるいは一時的に意根に順応し、心身を緩める方法があります。 修行は琴を弾くことに似て、弦を常に張り詰めてはなりません。張り過ぎれば切れてしまい、心身が修行の進度に追いつけない時は少し緩める必要があります。弦が切れて長期間修復できないよりは、一時的に緩めて調整すべきです。琴の音は適度な張りがあってこそ美しく響きます。仏は経典でこの問題を説かれており、我々は常に自己の心身状態を把握し、耐えられるかを見極める必要があります。耐えきれない時は一息入れ、精進は善き現象ですが、適度を弁えることが大切です。
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