四念処観行に関する問答第十五

問：観呼吸の際、どの識心が呼吸を操作しているのでしょうか。幾つの識心が呼吸を観じているのでしょうか。なぜ観呼吸をすると身体が発熱し汗をかくのでしょうか。発熱と発汗はどの識心が制御しているのでしょうか。 

答：観呼吸の際には意識が観じており、身識の覚知があるため、五俱意識が覚知します。精力が集中している時は意根が意識と共に同時に観じ、精力が散漫な時は意根が軽く縁するのみで、専注していないため何の感覚も想念も生じません。観じる際に意念が呼吸に従って丹田に至ると、丹田が暖かくなり熱量が発散され、自然に発汗することがあります。これらの法は如来蔵が縁に随って顕現したもので、因縁によって生じるものであり、必ずしも特定の識が制御しているのではありません。制御する心があると心念が分散し、禅定は浅くなります。
ある法は非常に深遠で観察し難く、我々の現時点の修行に何の役にも立ちません。無理に探求する必要はなく、集中して目の前の事柄を成し遂げるべきです。二羽の鳥が林にいるより一羽の鳥を手にする方が良く、我見を断ずることが真の力量なのです。