問:呼吸観察の修行中、身体全体が非常に重厚に感じられ、呼吸の状態は観察できなくなりましたが、仏像が浮かび上がり、仏号が思念を制御しています。ここ数日呼吸観察中にこの状態が二度発生しました。座禅から降りた後は身体が非常に軽快ですが、以前より寒さに敏感になりました。これはどういうことでしょうか?
答:身体が重厚で高大に感じられるのは欲界禅定に入った証です。欲界禅定が現れると欲界天人身が生じ、天人身とは高大で重厚、軽妙快適で飄々としたものです。禅定境に入ると境界像が現れ、例えば仏像が現れるのは、心が清浄になり仏を感得したためです。禅定に入った後は、定中に現れる境界に意識が向かうため、呼吸を観察できなくなるのです。一切の境界は虚妄であり、貪着してはなりません。さもなければ容易に道を外れ、境界に引きずられ、帰路を見失います。たとえ定中に仏が現れても同様に虚妄であり、執着すべきではありません。
古代の文喜禅師が炊事中、飯釜の上に文殊菩薩が現れた際、飯杓子を振りかざして追い払おうとしました。すると文殊菩薩は「三阿僧祇劫修行して、老僧に嫌われるとは」と述べ、文喜禅師の心が空で相に執着しないことを称賛したのです。しかし心が空で悟りを得ていない者は決して真似してはなりません。心が空でなければ仏菩薩の相があり、仏菩薩を不敬すれば罪過を生じます。悟った者は心中に相がなく、追い払うのは仮相であるため、不敬の過ちはないのです。
禅定中、意根が身体に執着しないため全身が通暢し、毛孔が微かに開きます。すると冷気が体内に入り込み、寒さを感じるのです。寒さを感じるのは禅定中に気血が通じ、毛孔が開かれたためで、虚空の空気とより密接に接触するからです。この時は衣服を重ね着し、座禅時には腰から下肢までしっかり覆いましょう。気脈が完全に通じれば、寒さを感じなくなります。
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