命は誠に尊し
涅槃の価はさらに高し
もし仏と成らんがために
二者ともに抛つべし
涅槃とは、一つの状態であり、静寂で喧騒のない状態であり、生ぜず滅せざる状態であり、増えず減らざる状態であり、垢つかず浄からざる状態であり、来らず去らざる状態であります。既然状態である以上、必ず或る実法に依って存在するものであり、必ず幻化して虚妄なるものであり、必ず生滅しうるものであり、必ず抛棄しうるものであります。
故に涅槃は不究竟なるもの、住すべからざるものと言われ、大智者は執着せず、固執しないのであります。ただ如来蔵のみが実法であり、実相であり、実体であり、他法や他縁に依存せずして存在するものであり、生じる必要もなく滅することもできぬものであり、静寂で喧噪なく、永遠に不変異なるものであり、永遠に捨て去れず、永遠に抛棄しえないものであります。
故に如来蔵は最も頼りになるものであり、最も追求する価値があるものですが、同時に求めなくてもよいものであり、住すべからず、また住むこともできないものであります。
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