衆生無辺誓い度す
煩悩無尽誓い断つ
法門無量誓い学ぶ
仏道無上誓い成す

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日常開示

2021年04月01日    木曜日     第4 回の開示 合計3257回の開示

父子合集経講義(一八二)

阿頼耶識は業種を如実に記録し出力する

阿頼耶識は公正無私であり、五蘊が私が造ったものだとか、私に属するものだとか、その悪行を隠蔽すべきだとか、五蘊がどんな悪業をなしても業種を記録せず業種を出力せず、五陰に悪果が現れないようにするといった心の働きはありません。カメラのように誠実で偽りなく、五蘊のすべての業行を機械化されたように自動的に記録します。一切の選択を行わず、細大漏らさず如実に記録するのです。記録された後、種子として心体に保存され、因縁の条件が具足すると業種が出力され、種子は根を張り芽を出し、やがて結果を結び、果報が現れるのです。

阿頼耶識が衆生の業果を如実に実現する事例は極めて多く存在します。例えば甲が前世で乙と悪縁を結んだ場合、乙が今世で甲の家に生まれ変わることは因縁成熟による種子の発芽であり、子供が成長するのは開花に相当します。時節が来ると乙は甲を陥れ報復し、甲の果報が現れます。この過程全体が花や芽、枝葉のようなもので、果報が到来した時、甲はこの子が何のために来たのか、実は借金の取り立てや報復のために来たのだと悟る可能性があります。大多数の人々は報いを受けた後もこの道理を理解できず、それ以前には全く気付かず、このような特殊な縁があることを知りません。前世の悪縁が二人を一箇所に集めさせ、業種を清算させるのですが、双方ともそのことを知らないのです。

昔、ある男性が故意に鼠を打ち殺したことがありました。たまたまその鼠は雌鼠でした。雌鼠は死後に無念を抱き、報復するという悪願を発し、後世に女子に転生しました。成長した女子はその男性と出会い、二人は一目惚れして恋愛結婚しました。二人は転生による記憶の隔たりがあるため互いを認識できず、前世のことを知りませんでしたが、業縁が二人を結びつけたのです。結婚後、女子は男性を一生涯苦しめましたが命までは奪わず、男性は生涯苦痛に苛まれました。業種が消滅せず、業報が完結していないため、二人は離れることができませんでした。なぜこのような結果になったのでしょうか。二人の業種はそれぞれの阿頼耶識に保存され、因縁が具足すると業種が現行し、根を張り芽を出し花を咲かせ実を結んだのです。男性が女子に一生苦しめられたこの出会いにおいて、誰もこのような結末を予想していませんでした。これらの事柄を決定するのは誰でしょうか。業縁が決定し、阿頼耶識に保存された種子が決定するのです。如来蔵もこれを決定する権限はなく、ただ業種を如実に現行させるだけなのです。

衆生同士が前世で深い縁を結んでいれば、今生で出会った際、阿頼耶識が種子を現行させる時に、互いに特殊な感覚を覚えます。顔を合わせずとも声を聞き、文字や写真を見るだけで、前世の何らかの縁、善縁あるいは悪縁を感じ取ることができるのです。言葉を交わさずとも異様な感覚を抱きます。名前を聞いただけで特別な感覚を覚える場合さえあります。

——生如法師の開示
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