問:初果を証得していない者が、他人に仏法を紹介し解説することはできますか?
答:自らがある程度仏法を理解しているならば、誰にでもありのままに紹介し解説して構いません。ただし、知っている範囲で話し、度を越えてはなりません。確信の持てないことは言わず、「知っていることは知っているとし、知らないことは知らないとする」という原則に基づくべきです。同時に、故意であれ無意識であれ、自分が実証を得ていると他人に誤解させてはいけません。果を証得していないなら、他人にどう証果し明心するかを教えたり、ましてや虚勢を張って無理に印可を与えたりして、人を誤らせてはなりません。修行の段階に応じた話をし、越境せず度を越えず、自身の実際の修行水準を正直に伝えること。それを超える内容は参考として提示し、指導とはせず、そうすれば過失はありません。
修行もせずに虚勢を張る者は少なくありません。こうした者は自画自賛を好み、目立つのを好むため、しばしば度を越えた発言をします。これはすべて深刻な我執によるもので、心の中の「我」はまさに自らを破裂するほどに膨らみ、我相・衆生相が固く容易には破れません。結果として妄語などの悪業を造ってしまうのです。実際には何の利益も得ておらず、仮に得ていたとしても他人の羨望や尊敬を得られるとは限らず、単なる自己満足に過ぎません。衆生の煩悩結使はこのように頑なに自心を縛りつけ、解脱の味を知らず、哀れであり悲しむべきことです。
6
+1