衆生無辺誓い度す
煩悩無尽誓い断つ
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仏道無上誓い成す

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日常開示

2021年03月26日    金曜日     第1 回の開示 合計3231回の開示

世尊はなぜ凡夫と声聞の人々に甚深なる唯識の法義を開示されなかったのか

楞伽経原文:阿頼耶識は甚だ深く細やかなり、一切の種子は瀑流の如し。我は凡夫と愚者には説き示さず、彼らが分別して我と執着するを恐るるが故なり。 

釈:阿頼耶識は特に深遠で微細な法であり、知り難く理解し難く証し難い。阿頼耶識に含まれる種子は、瀑流のように絶え間なく流れ出て、五蘊の世間における様々な法を形成する。阿頼耶識が種子を流注して世間法を生じるというこの法義を、私は世間の凡夫や愚かな声聞人に説くことができない。もし説き示せば、彼らは種子によって形成された法を我や我所と誤解し、それに対する執着を再び生じさせ、生死を増長させるからである。

阿頼耶識が種子によって形成した五蘊の世間法は、全て五蘊の中に包含される。内六界と外六界、六根六識が和合して十八界を成し、五蘊の機能作用を有する。阿頼耶識内に本来備わる種子には不生不滅の地水火風空見識の七大種子があり、外部から入る種子は五蘊が業を造作して残す生滅の業種である。これらの種子が和合して瀑流のように刹那刹那に絶え間なく湧き出で、年劫月日にわたって流注し止むことなく、五蘊の世間を生滅流転させ続ける。このように深遠な法を凡夫や二乗の声聞人に説き示せば、彼らは五蘊の世間法が全て私の阿頼耶識から生じたものであり、私の所有に属すると誤解し、阿頼耶識が空でなければ私も空でないと考えてしまう。これにより阿頼耶識が生じる五蘊の世間法への執着を一層強め、生死を増大させることになる。

これに対し、唯識種智を備えた地上の菩薩は、阿頼耶識の一切種子の機能作用を証得し、五蘊の世間法が全て阿頼耶識の種子によって幻化された空なるものであり、真実の五蘊世間が存在しないことを悟る。よって智慧をもって五蘊世間に執着せず、心は更に空となり、分段生死から次第に変易生死の段階へ移行し、大解脱へ向かい究竟の解脱を得る。ここに見られるように、同一の法に対しても智慧の差異により認識に差が生じ、行為に差が現れ、その結果一方は更なる執着を生じ、他方は執着を滅却して解脱を獲得するのである。

——生如法師の開示
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