三界の万法は有であり、表面的には存在し作用しているように見えます。しかし本質的には、これらの有法は魔術師が幻化したようなものであり、しかも魔術師が刹那ごとに絶え間なく幻現し続けなければなりません。魔術師が一旦その心念を止め、幻化をやめた時、一切の有は瞬時に消滅し、跡形もなく消え去ります。故に一切の法は魔術師に属し、魔術師のなすところであり、魔術師によって掌握されており、魔術師は一切の法を体現しています。しかし魔術師そのものは一切の法ではなく、魔術師が存在すればこそ一切の法があるのです。既然一切の法が魔術師のなすところであるならば、一切の法の存在の中に魔術師を見出すことができます。この魔術師とはいったい誰なのでしょうか。どのようにして万法を幻化するのでしょうか。
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