父子合集経講話（一六一）

夢中の瞋恚により舌根が断たれる因果応報

原文：仏は王に言われました。「その通りです。愚かな凡夫異生は、舌が壊れるのを見て心に瞋恚と悩みを生じ、このような業行を造ります。身による三業、口による四業、意による三業をなすのです。その業を造り終えた後、刹那に滅び去ります。この業は東西南北四維上下に依って存在するものではありません。最後の際に命根が尽きる時、自らが造った業報がことごとく眼前に現れるのです。ちょうど夢から覚めた後、夢の中の出来事を思い出すが如く」

釈：仏は述べられた。大王よ、まことにその通りである。愚かな凡夫異生は、夢の中で自らの舌根が損なわれるのを見て、心に瞋恚を生じ、悪業を造り行う。身三業・口四業・意三業を造作する。業を造り始めた当初から、その業行は造作するやいなや刹那に滅び去る。これらの業が滅びた後は、東西南北四維上下のどこにも留まらない。しかし命の最後が近づく時、自らが今生で造った業報が全て眼前に現れる。あたかも夢から覚めた者が、まだ夢の中の出来事を思い出しているかのようである。