父子合集経講話（一五四）

死蘊と生蘊

原文：大王よ。識がその主であり、業が縁となる。この二種が因縁となって、初めの識が生起する。或いは地獄に趣き、或いは畜生に堕ち、閻魔羅界や阿修羅、人あるいは天に至る。初めの識が生じた後、各々その報いを受け、同分の心品が相続して転じ続ける。最後の識が滅する時、これを死蘊と名付け、最初に生起する識を生蘊と称する。

注釈：阿頼耶識は来世の五蘊身を生じる主であり、業種が所縁となる。この二つの因と縁が和合して次の世の初めの識が生じる。衆生は地獄道に趣くこともあれば、餓鬼道や畜生道の三悪道に堕ちることもある。あるいは阿修羅道・人道・天道の三善道に生を受ける。初めの識心が生じた後、衆生は各々の業報を受け、同一の色身において識心が継続的に作用し続ける。命終時に識心が滅すると、色身は死体となり死蘊と称され、色身に最初に生じた識心を初識とし、五蘊の色身を生蘊と名付ける。