涅槃とは何か?
涅槃の道は、このように歩むべきである。涅槃が最初に依拠するものは一真法界であり、阿頼耶識という法である。阿頼耶識がなければ四種の涅槃を説くことはできない。阿頼耶識如来蔵法界によってこそ、一切の法は空寂で無相であると言える。故に願求するものもない。これらの法理は虚空際に遍満し、虚空のどの世界においてもこの真理は変わらない。一切の法は空であり、この理はあらゆる虚空の果てに至るまで適用される。
涅槃には四種ある。有余依涅槃、無余依涅槃、自性清浄心涅槃、無住処涅槃である。小乗の涅槃は一切の法を滅尽させることを指し、涅槃は仮の名称に過ぎず、不生不滅の状態に至ることを意味する。これは単なる性質・状態であり、実体ある法ではない。
実体ある法とは如来蔵である。如来蔵の本体に現れる不生不滅の性質、不動の性質こそが涅槃である。阿羅漢が無余涅槃に入るとき、阿羅漢は存在せず、ただ如来蔵心のみが残り、不生不滅の状態に住する。これを涅槃と呼ぶ故に、涅槃もまた仮名である。ただ実相心、如来蔵心こそが真実であり、真の法、実法である。その他は全て仮法に過ぎない。
仏が『大般涅槃経』で説かれたように、真如もまた一つの性質・状態である。真如は阿頼耶識如来蔵が現す真実かつ如如たる性質であり、これは名称に過ぎない。実相とは如来蔵の実体ある相であり、実体ある相に現れる真実の性と如如不動の性質が真如である。故に涅槃は空と共に行じ、空が尽きれば無余涅槃に入る。この空とは如来蔵の不生不滅の境地と状態に住することを指し、これを涅槃と呼ぶのである。
2
+1