父子合集経講話（一二七）

死蘊と生蘊

原文：大王よ、識はその主となり、業は縁となる。二種の因縁相俟って、初めの識が生起する。或いは地獄に趣き、或いは畜生に堕ち、閻魔羅界及び阿修羅、人若しくは天に生ず。初めの識が生じた後、各々その報いを受け、同分の心品が相続して随転す。最後の識が滅するを死蘊と名付け、最初の識が起こるを生蘊と名づく。

釈：仏は説きたまわく、大王よ、阿頼耶識は来世の五蘊身を生ずる主となり、業種は縁となる。この二種の因と縁が和合することにより、来世の最初の識が生起する。衆生は或いは地獄に趣き、或いは餓鬼道に堕ち、或いは畜生の三悪道に生まれ、或いは阿修羅道・人道・天道の三善道に生まれる。最初の識心が生じた後、衆生は各々その業報を受け、同じ色身における識心が絶え間なく連続して運転し続ける。命終時に識心が滅する時、色身は死屍となり死蘊と名付けられ、色身に最初に生起した識心を初識と称し、五蘊の色身を生蘊と名づく。