いかなる成果を成し遂げた者も、厳格な自己修養を実践した人である。世俗においても仏法においても、自律こそが成就をもたらし、自己を超越させる。無我の境地による達成は一切に優り、あらゆる事業を完成させる。逆に自我に執着する者は些細なことにこだわり、心が狭く、自己を容れ他人を容れず、いかなる事業も成し遂げることは難しい。ただひたすら私心なく無我の境地で仏教のために尽くせば、得られる功徳は計り知れず、この功徳によって大いなる智慧と解脱がもたらされる。弘法に参与しない者とは比べものにならない。
各人が自己の私心と闘うことは全く可能であり、貪欲心と闘うことに何の問題もなく、瞋恚心と闘うことは十分可能であり、嫉妬心と闘うことに何の支障もなく、人我の是非をめぐる心と闘うことは完全に可能であり、権力争いの心と闘うことに全く問題がない。要するに、自己と戦い、己を鍛えることに何の障りもない。ただ他人と争ってはならない。名利に遭遇したら避けて通り、頭を突き出さず、奪い合わず、他人の利益を損なわないこと。責任を担うべく、権利を争わず。
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