楞厳咒の加護は非常に大きく、福徳を増し、戒律を円満に守り、心を専一に雑念なく保ち、仏法の修行に精進し、道心を堅固にし、法を選ぶ眼を得て、魔の擾乱を遠ざけることができる。具体的には『楞厳経』第七巻において釈尊が楞厳咒を保持する種々の利益を説かれている。よって仏教徒は最初に仏法を学ぶ際、毎日楞厳咒を誦持し暗誦することが極めて必要である。仏菩薩と護法神の加護のもと、多くの干渉や障害を省き、世俗の心を修道の心に転じ、修行の進歩が速やかになる。
如何にして速やかに楞厳咒を暗誦できるか。これは記憶力による。楞厳咒を読誦する際に専心一意となり雑念なく、注意力を全て咒文に集中させれば、読誦に熟達した時ほぼ暗誦できる。もし咒文を読む際に雑念が多く心が統一されなければ、注意力が散漫になり咒文を記憶できない。長く読んでも暗誦し難い。雑念を交えぬためには速読または一気呵成の読誦を選択できる。ただし短所として気を損ない易く、短時間は影響なくとも長時間続ければ支障を来す。真に専念して読誦すれば短時間で暗誦可能である。注意力を集中させるため木魚を叩く補助法を選べる。木魚がなければ机を手で叩き、リズムを均等に保ち韻律を整えれば興味が引き出され注意力が集中し、読誦を好むようになれば速やかに暗誦の域に達する。
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