呼吸観察によって心が静まった後、目を開けたまま目の前が真っ暗に感じられるのは、初歩的な禅定が生じている好現象であります。元来心が六塵の境に攀縁していた状態から、心が内に向かって転じ塵境を見ず、更に色陰区宇に覆われたため、眼前は暗闇となるのでございます。もし更に禅定を深めていけば、たとえ目を閉じていても眼前が明るく感じられるようになりますが、色陰区宇を突破するまでにはまだ遥かな隔たりがございます。
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