貪愛と貪行の原因と果報
意は法処に着き、これが意の境界となります。意識は法塵の境界を貪愛することを好み、境界に引きずられて貪心が生じます。例えばケーキを取る場合、その色彩は眼識が捉える対象であり、形状や成分、栄養などの情報は法塵として意根が対峙し、意識が分別します。意識が「甘く美味しい」と分別すれば貪愛が生じ、貪愛があれば貪行が起こります。すなわち独占したい欲求が生じ、直ちに口に入れようとし、さらに将来も食べられるよう策を講じる。これが貪行です。貪行は身口の行為であり、貪心は心の妄想や打算、感受です。境界に引きずられて業行を造作し、その業が如来蔵に種子として蓄積されます。縁が熟せば果報が現れます。もし意根が染まれば、その者は生生世世にわたり貪食の習性を帯びることになります。
もし他人のケーキを、相手が知らないうちに、あるいは与える意思がないのに食べた場合、これは窃盗に該当します。盗みの業が如来蔵に蓄積され、業縁が成熟して果報が現前すれば、千倍あるいはそれ以上の返還を要します。一個のケーキを盗めば、最低千倍の果報として千個以上の返還が必要です。三宝の物や修行者の所有物を盗んだ場合、一万・十万・百万倍という無量の償いを要し、さらに貪りの性罪を含むため、その罪が重ければ地獄に堕ちて悪報を受けることになります。
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