眼根の自性は清浄である
原文:何故なりや。地界清浄なるが故に、眼処生ずることを得。是の中に少分の法を得ること有ること無し。かくの如く乃至、風界清浄なるが故に、眼処生ずることを得。是の中に少分の法を得ること有ること無し。何故なりや。主宰無きが故に。造作無きが故に。涅槃の如く、自性清浄なり。
釈:何故四大が清浄であれば眼処も清浄となるのか。地界が清浄なるが故に、眼根はそれに依って生じるが、生じた眼根もまた得られるものは何一つない。同様に水界が清浄なるが故に眼根が生じ、火界が清浄なるが故に眼根が生じ、風界が清浄なるが故に眼根が生じるが、いずれも得られるものはない。何故眼根が得られないのか。眼根の生起には主宰者なく、作為もないからである。生滅なき涅槃心の如く、自性が清浄であるが故に。
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