眼処とは何か。
原文:大王。眼処とは何か。それは四大種、地界・水界・火界・風界によって造り出された清浄な色である。地界が清浄であれば、眼処も清浄となる。水・火・風界が清浄であれば、眼処も清浄となる。
釈:仏は説かれた。大王、眼根処とは何か。眼根処とは四大種である地界・水界・火界・風界によって構成された清浄な色根である。地界が清浄であれば、それによって構成された眼根処も清浄となる。水・火・風界が清浄であれば、和合して構成された眼根処も清浄となる。
眼根は地・水・火・風の四大種が和合して形成された物質的な色法であり、地の堅固性、水の湿潤性、火の温熱性、風の流動性を含む。眼根は顔面上の眼浮塵根と後頭部の眼勝義根を含み、いずれも四大種によって形成される。
四大種は如来蔵に本来備わる種子である。眼根を生じる因縁が成熟すると、如来蔵は四大種を送出して眼根を形成する。内外の眼根は母胎内で次第に形成される。『楞厳経』において世尊が人の眼根を葡萄の房のような形状と形容されたものが、すなわち眼処である。
如来蔵中の地・水・火・風の四大種は本来清浄であり、染汚や貪瞋痴の煩悩を持たない。これら四大種が一定の比率で和合して眼根を形成し、種子和合の比率が異なれば形成される物質色法も異なる。四大種が清浄であるが故に、形成された眼根も清浄であり、貪瞋痴の煩悩や染汚を持たない。ただし眼根を縁として生じる眼・耳・鼻・舌・身・意の六識には染汚と煩悩が存在する。眼根本体には染汚も喜怒哀楽もなく、それは眼根に心行がないためである。
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