衆生無辺誓い度す
煩悩無尽誓い断つ
法門無量誓い学ぶ
仏道無上誓い成す

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日常開示

2020年12月09日    水曜日     第3 回の開示 合計2888回の開示

父子合集経講話(第五十一)

虚空界の特性

原文:大王よ、若し色が壊変すれば、一切は空となる。何故ならば、この虚空界は本来尽きること無きが故に、静寂にして動かず、恰も涅槃の如し。一切の処に遍満し、障礙する所無し。

釈:大王、物質色法が壊れ変じた後、空無となる、これが空界です。何故物質が消滅すれば、一切が空となるのでしょうか。虚空界には終わりも果ても無く、全てが空となり得るからです。元来虚空は静寂で動かず、生滅も増減もなく、涅槃性の如きものです。虚空は全ての場所に遍満し、それを障礙する法は存在しません。

物が壊れれば虚空となる。例えば家屋が崩壊すれば、その場所は全て虚空となる。地球が滅びれば、地球のあった場所は全て虚空となる。三千大千世界が滅びれば、三千大千世界は全て虚空となる。虚空には何物も存在しません。

虚空は静寂で動きません。何故動かないのでしょうか。それは無物の仮相であり、物体は仮の存在で移動可能ですが、虚空自体を動かすことは誰にもできません。虚空に高楼を築いたとしても、虚空を移動させることなどできましょうか。虚空は不動であり、その無形無辺の性質故に動かしようがありません。虚空には物質色法が存在せず、完全な空無です。我々は常に虚空と空無を必要とします。身体を動かし物を配置する為に、障礙の無い虚空の性質が衆生に必要なのです。

或る者は大気も空であり虚空と同様に無辺で動かないと言いますが、実際は大気と虚空は大きく異なります。大気は表面的には無物の如く見え、目に見えず触れられませんが、機器で検出可能で物質を含んでいます。四大で構成された色法であり、気流が生じ得ます。衆生が大気を必要とする主因は、その中の酸素を求めてのことです。

——生如法師の開示
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