密意を明言することを禁じるのは意根が証悟するためである

仏教において悟りを証得すべき一切の法は、すべて秘密法に属します。いわゆる秘密法とは、これらの法を自ら参究し、自ら考証すべきものであり、他人から既成の答えを得ようと望まず、意識心で推測や想像をしてはならないことを指します。なぜなら、他人から既成の答えを得ること、あるいは推測や想像によって生じた答えは、ただ意識心に相応するものであり、意識は容易に理解し掌握できても、意根は理解も掌握もできないからです。意根が理解し掌握するためには、必ず参究の過程を経なければなりません。意根が自ら意識の思惟と証得に参与し、意識から伝達される細部を一つ一つ理解し、各々の証拠を掌握して考証と思量を重ね、証拠が充分に揃った時に初めて、意根は明らかに思量し、究竟を知ることができるのです。意根が知らなければ証得せず、意根が証得しなければ疑いが生じ、疑いがあって真実を証得しなければ、解脱の功徳を受用することはできません。

したがって仏教においては、大乗法が厳密に密意を明言することを禁じているだけでなく、小乗法においても具体的過ぎる観行を明言することを禁じ、意識が知るだけで意根が知らない状態を避けなければなりません。もし明言すれば、意識心は直ちに理解してしまい、再び参究することができなくなります。参究を経なければ、意根は明らかにすることができず、証得することもできません。意根に疑いが残って決断できなければ、解脱の功徳を受用することはできないのです。