風の特性と機能
風の特性は軽く漂うことであり、風の推進力がある時、歩くことや自転車の移動が速くなります。風が吹くと、軽いものは風に乗って上へと舞い上がります。風にはまた「動」という特性があり、物体を不安定にし、動きや回転を生じさせます。私たちの身体が活動できるのはなぜでしょうか。体内に風性が存在するからです。風性がなければ四肢も動かせず、言葉を得ることもできません。
言語はどのように生じるのでしょうか。内心に覚観や感受が生じると、私たちはそれを言葉で表現しようとします。すると体内に風が生起し、その風が臍に触れ、さらに上昇して心臓や肺に触れ、気管・喉・口へと至り、舌・歯・唇に触れた後、言語が形成されます。風界がなければ言語は生じ得ず、風性は動的であるがゆえに、言語もまた動的です。この風性がなければ音声を発することはできません。内心にどれほどの想いがあろうとも、風の作用がなければ思想は表現されず、言語も生じません。つまり身体の内部には必ず風性が存在し、風が動くことで内臓器官に触れ、言語が表現されるのです。
言語もまた虚妄です。言葉の一音一音はどこに存在するのでしょうか。存在する場所はありません。私たちが話し終えた言葉が滅する時、それはどこへ消えるのでしょうか。滅する場所もありません。このように諸法は虚妄であり、得るべきものはなく、道理で説明できるものではありません。無所有から無所有へと至るのです。あらゆる事理を分析推論し、私たちが触れる全ての事物がこのように虚妄不実であると観じます。このように繰り返し観行思惟することで、一切法空を証得し、我見を断ち、初果を証得します。その後、次第に執着すべきものは何も残らなくなるのです。
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