火界は如来蔵より来たる
『楞厳経』において仏は、火は如来蔵より生じると説かれている。これは如来蔵の本性である。しかし如来蔵には何も存在しない。形もなく、相もなく、堅さもなく、熱さもなく、水性もなく、揺れ動く性質もない。塵ほどの色相すら存在しない。しかるにこの如来蔵は、十方三千大千世界を顕現することができる。あまりにも不可思議なことである。故に仏法を学び究めれば、一切の法界の実相を知り、再び迷いや倒見に陥ることなく、遂には仏道を円満に成就するのである。
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