水界の生滅は虚妄なり
四大海水が形成された当初、水はどこから来たのでしょうか。来るべき所はありません。やがて四大海のほとんどが滅び蒸発する時、水はどこへ消えたのでしょうか。虚空へ行ったのでしょうか。虚空にそれほどの水があれば収まりきれず、虚空中に水があればもはや虚空とは呼ばれず、大海と呼ばれるでしょう。ゆえに大海水が消えても行くべき所はなく、水界はかくの如く虚妄で、来る所なく去る所なく、空から空へと移るのです。全三千大千世界もかくの如く虚妄であり、十方世界の仏国土もまたかくの如く虚妄で、生じては滅び滅びては生じ、全て執着すべきものではありません。水界の本性は、生じた時も元より空であり、滅した時も空で、空から空へ、何ものも存在しないのです。
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