地界が滅ぶ時の様相
原文:大王よ。またこの地界が滅びようとする時、あるいは火に焼かれ、あるいは水に流され、あるいは風に吹き払われる。譬えば酥油を燃やすが如し。その炎は盛んに燃え上がり、ついには灰燼に帰して見る影もなくなる。もし水に流されるならば、塩を水に投じるが如く、瞬く間に消散する。もし毘嵐の猛風に吹き払われる時、その時三千大千世界はことごとく散滅し、清く尽きて余すところ無し。
釈:仏は説かれた。大王よ、地界が滅びようとする時、あるいは大火に焼かれ、あるいは大水に没し、あるいは大風に散らされる。地界が大火に焼かれる様は、酥油の灯火を点ずる時、炎が盛んに燃え上がり、酥油が尽き果て灰さえ見えなくなるが如し。地界が大水に没する様は、塩を水に投じれば瞬時に溶け失せるが如し。地界が毘嵐の猛風に吹き払われる時、三千大千世界は即時にことごとく散滅し、まったく余すところ無く消滅する。
0
+1