梵音と梵行とは何か?
衆生が仏に成ると三十二相八十種随形好を具える。その一相が「梵音」の相である――仏の音声は極めて美妙で澄み渡り、数百千億の人間・天人が説法を聴くにも拡声器を要せず、全ての者が聞くことができる。しかも人間が仏の説く言語を理解できるだけでなく、鬼神も畜生も理解でき、六道の衆生全てが理解できる。中国人は理解でき、他国の者も理解できる。異なる言語や種族の人々も理解でき、他の仏国土の菩薩も理解でき、しかも皆が仏の説く音声を明瞭に聞き取れる。これが仏徳の一つである。
梵行とは清浄な行いを指す。身口意が清浄に達し、欲の染まりが無い状態を梵行という。清浄行が円満すれば梵行が円満するのであり、内面に貪欲・瞋恚・愚痴の染汚心行がなく、心が清浄を得る。世尊が今説き明かされているのは六界の差別分位の法門、すなわち地水火風空識の六大について、これら六つの法門の分位・定義・差別・境界・機能などの問題である。
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