十八界は六根・六塵・六識を含む。六根とは眼・耳・鼻・舌・身・意の六根を指し、うち前五根は地水火風の四大種子によって構成される。浮塵根は身体の表面に存在し、衆生の肉眼で見え触れ得るもので、壊れ変異する性質を持ち、肉眼で観察可能な生滅現象を示す。五根の勝義根は後頭部に位置し、手術によって確認可能な色法であり、同様に破壊と変異を被り、生滅無常の苦法である。五根が損壊する時、色身の機能は阻害され廃棄され、植物状態に至り、やがて死に至る。
これに対し意根は四大種子ではなく識種子によって形成されるため色法ではなく心法に属し、識心の機能を有する。色法は因縁所生の法であり、自主性を持たず、受動的に如来蔵と意根の和合によって生じ顕現する。意根の推進作用がなければ色法は即時に消滅する。しかし意根は後天的に生じたものではなく、無始劫以前より如来蔵と共存し、如来蔵より識種子の供給を受け継続的に存在する。他の因縁を必要とせず、意根が縁を攀じる限り滅びることなく存在し続け、五蘊世間もこれに伴って生滅を繰り返す。五蘊五根は生滅を続けるが、阿羅漢や辟支仏が涅槃に入る場合を除き、意根は決して滅びず、何人もこれを消滅させ得ない。
無色法である識心意根と有色法である五根の機能は極めて異なる。五根には識別機能・心所法・染浄性がなく、意根の影響を受け、五塵を受容する機能は意根の指揮下にあるが、五塵や五識を指揮することはできず、ましてや意根を指揮することはない。ただし意根の受容と決断作用に影響を及ぼし得る。
意根の心法は極めて強力な機能を有し、五蘊身に対して主宰的役割を果たし、一切世間法の出生・変異・滅亡を主導する。識心の心所法作用を具え、染浄両性を併せ持ち、識別・了別・判断・主宰の性質を有する。利を求め害を避ける性質、我執と無我性、愚痴と智慧、習気習慣と煩悩、遍計所執性を備え、衆生の生死輪廻を決定し、涅槃への趣向を定め、仏道を成就させる。天地を支配するのは意根である。色法たる五根にこの特性はなく、心法たる意根のみがこれを具える。故に意根は色法ではなく心法であり、無色根である。
「根」には識心を出生させる意義があるが、これは直接的な生成ではなく六識出生を導く最も直接的な縁である。六識を直接出生させるのは如来蔵であり、業縁と六根を借りて六識を出生させる。ただし意根が一切法に対して無心であれば、如来蔵は六識を出生させ得ない。故に五根の生縁は受動的であるが、意根の生縁は極めて積極的で、六識と一切法を出生させる強大な動力を持ち、五根の出生をも決定する。このような自主的な強大な動力は無色の心法にのみ存在し、有色の五根には存在しない。よって意根は色法ではなく心法、有色根ではなく無色根である。
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