ブラックボックスは色身の漸進的な成熟に伴い絶えず成熟していく。外五根は年齢の増加と共に絶えず成熟し、やがて老化・硬化・退化する。ブラックボックス内の五勝義根も年齢の増加に従い次第に衰え退化する。四大種子は絶えず更新され、五勝義根の機能作用は最初の脆弱さから強大へ、さらに硬化・退化へと移行する。五根の伝達神経は次第に鈍化し、伝達する四大微粒子は漸減し歪み変形する。これにより六識が内六塵を弁別する速度は緩慢となり、了別は次第に曖昧模糊とし、反応は鈍重となる。
六識が了別する自己の身根の状況は、本来の色身の状態ではなく、原初の色身が勝義根のブラックボックス内に形成した影像である。これは種々の電子・原子・中性子等の微粒子の集合体であり、虚妄の仮体であって、本来の真実なる立体物ではない。故に色身に執着する必要は全くなく、これらは単なる生体電気信号の集合に過ぎず、身体も身根五浮塵根も存在しない。もし真実の色身が存在するならば、穿山入水等の種々の神通があってはならないのである。
0
+1