衆生無辺誓い度す
煩悩無尽誓い断つ
法門無量誓い学ぶ
仏道無上誓い成す

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日常開示

2020年08月27日    木曜日     第2 回の開示 合計2573回の開示

声の錯覚

甲が発する声を、乙は傍で聞き、丙は電話を通じて聞き、丁は録音装置を通じて聞き、戊は金属パイプを通じて聞き、己は真空パイプを通じて聞き、庚は壁越しに聞き、辛はドア越しに聞き、壬は拡声器を通じて聞きます。これらの人々が聞く声に違いはあるでしょうか?なぜでしょうか?真空を伝導した声、空気を伝導した声、金属を伝導した声、空管を伝導した声は、耳識が認識する声に差異が生じます。

声は四大種の物質色法に属し、その伝達には媒体を必要とします。媒体がなければ伝達できず、媒体が異なれば障害も異なり、伝達速度も異なります。障害とは何を指すのでしょうか。四大種の微粒子が伝達過程で媒体を通り抜けられず、媒体によって遮断または吸収される部分があることを意味します。すると媒体を通過した四大種の微粒子は変化を起こし、形成される声にも変化が生じます。通過する媒体が多ければ多いほど、距離が長ければ長いほど、受ける障害は大きく、遮断される微粒子も多くなり、声はより変質します。

声の伝達の最終目的地は勝義根のブラックボックスです。各人の耳根の伝達神経と大脳の栄養物質はそれぞれ異なり、勝義根に入る声への影響も異なります。従って各人が聞く声には一定の差異があります。これは我々が聞く声が真実ではなく、「声」と呼ばれる実体は存在せず、単に大量の電気信号と情報に過ぎないことを示しています。我々は皆、仮想の情報世界に生きているのです。

——生如法師の開示
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